品確法の住宅性能表示制度の1.構造安定に関することの指標に耐震等級があります
住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)
1-1. 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止) 地震に対する構造躯体の倒壊、崩壊等のしにくさ
1-2. 耐震等級(構造躯体の損傷防止) 地震に対する構造躯体の損傷
(大規模な修復工事を要する程度の著しい損傷)の生じにくさ
地震の揺れに耐える構造です
在来木造の場合、建物を筋交いや構造用合板等の面材を用いた耐力壁、金物などを使って
補強する方法
建物そのものの強度を向上させることで破壊や損傷を防ぐ
地震の揺れを熱エネルギーに転換し、吸収する
地震のエネルギーを制震(制振)装置により地震の揺れを抑制する技術
地盤と建物の間に免震装置を入れ、地震の揺れを建物に伝えにくくする構造
耐震等級を取得する際は主に2つの計算方法があります
公益財団法人 日本住宅・木材技術センター発行の
「木造軸組工法住宅の許容応力度設計」に従い計算します
在来木造3 階建ては耐震等級を取得しない場合でも、この計算を行います
基礎は「鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説」に準拠し、縦筋にフックを付ける
基礎より上部の上物について、壁量、壁の配置バランス、水平構面(床の強さ)、接合部の
各項目に規定値があり、それを充足しているか確認する
適用物件階数2以下、高さ13m以下、軒の高さ9m以下、延べ面積500㎡以下
(4号物件)
横架材(梁)、基礎については、「木造軸組工法住宅の横架材及び基礎のスパン表」
(以下、スパン表)を用い、断面を選択する(もしくは許容応力度計算する)
基礎のスパン表を利用する場合は、「鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説」に準拠せず、
縦筋にフックを付けない
・モデル建物は仕様が限定されており、実物件に用いるには無理がある
・基礎のスパン表に想定されている基礎計算用の荷重が実物件に比べ小さすぎる
・基礎のスパン表の適用範囲は狭すぎる小屋裏収納は適用外
・柱脚・柱頭金物が小さく評価される恐れあり
・柱のめり込み、座屈破壊の危険性あり
・耐力壁線距離の規定が大きすぎる
・雑壁は耐力壁と評価せず、余力と考えた方がいいのでは?(従来の考え)
一般的に雑壁は施工監理・管理が困難な為に耐力壁とし評価しません
・壁の配置バランスの計算が雑になる
小屋裏収納、書庫、吹抜け、PH階等に品確法ルートは対応難
・許容応力度計算で行う、梁上耐力壁の剛性低減計算をしていない
品確法ルートは構造設計の知識のない設計者でも、簡易に計算できる
しかし、それ故に適用条件を理解せず、適用外の物件でも品確法ルートを
適用する設計者が散見する
実物件を設計するのは無理があり、安全性に疑問が生じる
許容応力度計算の方が、安全性が高く、なおかつ設計の自由度が高い
設計審査、配筋・軸組・断熱・完了検査、地盤は審査要件
メリット:住宅ローン金利優遇、地震保険の割引、資産価値の向上
この審査を受けた建物が、耐震等級2・3の建物です
②~④の審査を受けた建物は、厳密には耐震等級2・3相当です
許容応力度計算 耐震等級2・3
品確法ルート 耐震等級3
令和4年10月に改正され、品確法ルートでは耐震等級3が長期優良住宅の要件とされました
改正前は耐震等級2以上が要件でした
許容応力度計算では、改正前と変わらず耐震等級2以上が要件です
設計審査、現場検査なし、地盤は審査要件なし(申請図書のみの審査)
メリット:税の特例措置、住宅ローン金利優遇、地震保険の割引、資産価値の向上
金利Aプラン 耐震等級3
金利Bプラン 耐震等級2以上
設計審査、軸組・完了検査、地盤は審査要件なし
メリット:住宅ローン金利優遇、地震保険の割引、資産価値の向上
フラット35Sと同等の基準を満たすことを証明する書類です
すまい給付金の申請に利用します
耐震等級3で設計した建物でも、耐震等級2以上の性能を有するかの審査になります
設計審査、現場検査なし、地盤は審査要件なし(申請図書のみの審査)
メリット:税の特例措置、地震保険の割引、資産価値の向上
※地震保険の割引については各保険会社様にご確認ください
※住宅瑕疵担保保険の検査は記載の検査とは別にございます
※すまい給付金は住宅ローンを利用した場合、①~④の申請は特に必要ございません
二級建築士事務所埼玉県知事登録
第(2)11349号
二級建築士茨城県知事登録
第12317号
大槻 学
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